創始者ブログ FOUNDER'S BLOG

2020.03.26

MICを想う

 もう宮崎を離れて4年余になります。宮崎国際大学MICのことを思わない日は一日もありません。教職員は機嫌よく働いているか? 学生は勉学や充実した学生生活をenjoyしているか? 就職はどうか? 卒業生は活躍しているか? 学内のイベントはうまくいっているか? 大学の財務状況はどうか? そんなことをとりとめもなく毎日繰り返し想っています。

 80歳を過ぎても、元気であれば退屈するのではないかと危惧していましたが、実情は然に非ず。毎日時間が足りないと焦りを感じながら暮らしています。それは欲張りで、気が多い所為かもしれません。本をもっと読みたい(読みたい本が日を追って増えていく)、もっとパソコンに習熟したい、旧友や旧知の人たちに会いたい、音楽会や美術館に行きたい、たまには温泉に行きたい、きちんと運動をしたい、身の回りの整理整頓をしたい等々です。(実行するのに体力が足りないことは否応なしに感じます)。いつも焦りを感じています。諦めるのは意外と難しいものです。

 愚痴はさておき、去る3月23日付日本経済新聞18面に、「日本の教育 風穴開ける」「常識にとらわれない大学経営」という見出しで、同紙の高等教育関連の論説委員横山真一郎氏が取材した日本電産会長・永守学園理事長の永守重信氏に聞くという記事があります。

 副題は「一代で世界一の総合モーターメーカーを築いた永守氏が大学経営に乗り出した。偏差値とブランド信仰が支える受験教育を厳しく批判」ということです。記事の要旨は以下の通りです。

 会社の創業は1973年。オイルショックのころで他社が採用を手控える中で社員募集をしたが低偏差値の大学卒業生しか来なかったが、会社が発展すると有名大学や一流校と言われる大学からも応募者が来るようになった。多数の大学から採用して分かったのは、大学の偏差値と入社後の仕事ぶりには関係がないことで、一流大卒を採用しようと頑張ったのは無駄だった。“3流大学卒”は妙なプライドがない。世界的新製品を開発して会社を大きくしたのは創業時の採用組だ。たまたまどこかの試験を落ちただけで潜在能力は高い。

 哀れなのは子供たちだ。時代遅れのブランド信仰で遊びも忘れて勉強させられ、入学した途端、これで遊べると好き放題やる。これではたくましいリーダーは育たないし、革新的な会社も生まれない。日本の閉塞感の原因だ。

 一芸に秀でた人材、とがった人材が必要なのに、センター試験のような愚かな制度で若者を振り分ける。人生百年の時代に18歳か19歳で新幹線組とローカル線組に分け、一度ローカル線に乗ったら残りの80年ずっとローカル線。こんな教育は間違っている。

 人間の評価にはIQとEQがある。IQは頭の良さでもって生まれたもの。一方のEQは感情指数だ。情熱や熱意、執念、最後までやり遂げる意欲など。要は「やる気」だ。EQは教育と経験でいくらでも伸ばすことができる。

 批判だけでなく、自分で大学を経営してみよう。そう思って2年前、京都学園大学の理事長に就任した。授業を見て驚いた。学生の半分は寝ていて、残りはスマホで遊ぶか私語。自分も授業を聞いたら、ものの10分で寝た。教員は「学生のレベルが低いから」と言うので、「内容がつまらないから学生が寝るのだ」と叱責した。

 理事長就任時、2025年には関西の有名私立を抜き、30年では世界ランキングで京都大学を抜くと宣言した。大学は京都先端科学大学と名称を変え、学長と学部長も代えた。教員は全員が英語で授業ができる。学生には英語を徹底的に教え、卒業時にTOEIC650点を目指す。(MIC国際教養学部では3年生への進級要件が500点)。

 という記事です。今日入手した雑誌PRESIDENT 2020.4.17号p71~73に永守氏の記事が出ています。内容は前述の要約とほぼ同じですが、永守氏が豪語しているのは京都先端科学大学は理事長、学長、教授陣、職員一人一人、食堂のおばさんまで全員が一流ということです。そして学生は勉強をしなければ卒業はさせない。英語の授業がわからない学生のために同内容の日本語の授業もする(ここはMIC国際教養学部と異なります。MICは英語のみです)。

 因みに永守氏は職業訓練大学校電気科卒業で、28歳のときに従業員3人の日本電産を設立されたそうです。

 久しぶりに元気のよい大学経営者の言葉を読んで愉快でした。宮崎国際大学創設に関わった私自身、共鳴するところが多々あります。MICは先端的な教育を20年以上にわたって実践してきたのですから、胸を張って努力を続けなければならないと思った次第です。老躯ながら、愚痴をこぼさずに勉強し、考え抜いて、いつもMICを応援し続けます。

 京都先端科学大学の成功を祈ります。